今回のパシフィカシリーズは、成形編の続きです。
成形は終わったものの、試しに取り付けてみたらコントロールキャビティバックプレートが枠にはまりませんでした。
ここからはその修正を行なっていきます。
それに加えて、懸案事項の解消も2つ残っていますので、それも併せて対処していきたいと思います。
パシフィカバックプレートシリーズの「テンプレート編」「成形編」からご覧になる方は以下のリンクからどうぞ!


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前回のおさらい 〜懸案事項は何だったか〜
まずは懸案事項が何だったのか、おさらいしてから修正へ進みたいと思います。
懸案事項① ネジ穴位置の0.5mm以下のわずかなズレ 手順を改善して成形編で解決済み
懸案事項② 個体差によりネジ穴が合わない事象に対してのネジ穴の工夫 今回対策していきます!
懸案事項③ ネジ穴の皿取り部分が、気固め剤や水性ステインの水分により膨張してしまうことがある
今後の塗装段階で解決していきたいと思います!
懸案事項の詳細は【作り方や手順がわかる】ヤマハ パシフィカ(YAMAHA PACIFICA)112VMのバックプレートを自作する②〜手順を改善して成形編〜で解説していますので、そちらも参考にしてください。
今回は修正を行いながら懸案事項②を解消します。
コントロールキャビティバックプレートの修正
なぜ、はまらない?
それでは、まずはコントロールキャビティの枠にはまるように、バックプレートを修正します。
前回の最後でも書きましたが、テンプレートをコントロールキャビティに合わせてみた時はちゃんと枠にはまったんです。
そのテンプレートから作ったバックプレートがなぜはまらないのか、謎。
テンプレートに再度合わせてみても、もちろんテンプレートと大きさは一緒。
ただこのパシフィカは、いままでの他機種以上にコントロールキャビティとバックプレートが隙間なくピッタリであることはわかっていました。
それなら、わずかに大きいだけでもキャビティにはまらなくなるから、少しだけ削ってみようと思います。

なんとかはめ込めるようになったものの、それでもかなりキツキツだな。
そう思いながら、純正を見たところ・・・閃きましたね。

バックプレートの縁が斜めにカットされているんです。
いままで何のためにカットしてあるのかなと思っていたんですが、バックプレートをはめ込みやすくしているんでだろうということがここでわかりました。
枠の側面と接する面を少なくすることで、コントロールキャビティの大きさピッタリのバックプレートもすんなりはめ込めるようにしているんですね。
コントロールキャビティバックプレートの縁を斜めにカット
バックプレートがはまらない謎がとけたので、早速改良していきます。
純正バックプレートの縁をプロトラクターで測ったところ45度だったので、こちらもそれに合わせて縁をカットします。
プロトラクターって一般的にはあんまり聞き慣れないですよね。
要するに分度器がついた物差しで、材料に当てて角度測定ができるのでかなり高精度で、かなり便利です。
こんなふうに使ったりしますよ↓

テーブルトリマーで45度の面取りビットを取り付けてカットします。
バックプレートには再度テンプレートを取り付けてガイドにします。

すごくきれいにカットできて、角度といい、カットした面といい、手作業だけではなかなかできないキチっとしたこの感じ。
たまらなくいいですね。
削り取る量が少ないのでトリマーの抵抗もほとんどなく、テンプレートを削ってしまわないよう深さ調整さえしっかり行えば、失敗することもないでしょう。

ちなみに今回使用した面取りビットはSK11の45度面取りビットです。
切れ味抜群で仕上がり綺麗です。
トリマービットは機会があればいろんな種類を買い足しておくと、さまざまな場面で便利だったりします。
ではさっそく取り付けてみると、これが・・・

こうです!簡単にはまりました。

それではネジを止めて・・・と思いましたが、さらに問題が。
1箇所、ネジ穴の位置がずれていました。

テンプレートと合わせてみたところ、ネジ穴はテンプレート通りだったので、テンプレートのネジ穴がすでにずれていたようです。
修正しないと💦
ずれているネジ穴の修正
このネジ穴のずれ、修正できる方法はネジ穴を純正より大きくするほかないなと考えました。
ナジ穴自体大きくなれど、ネジ頭より小さければ固定に問題はないはず。
そしてこのタイミングで、懸案事項②の「個体差でのネジ穴ずれ」について解消していこうと考えました。
今回のこのネジ穴ずれを「個体差でネジ穴位置がずれた」と考えれば、ネジ穴を純正より大きくして対応できるかどうかが実際の経験としてわかるなと。
バックプレートのネジ穴修正
早速バックプレートのネジ穴を純正より大きくしていきます。
3mmで空いていたところ、4mmの大きさにしていきます。

通常ネジ穴を大きくするときはステップドリルを使うんですが、ちょうど持ち合わせていなかったのでいつも使っているドリルビットでやりました。
先端から円錐状になっているドリルなら中心からほぼ均等に穴の拡大は可能ですし、なおかつこのドリルビットは切れ味がとても良いので可能なのです。
さて、実際に取り付けてみてどうか確かめます。
ずれていたネジ穴部分を見ると、バックプレートのネジ穴の中にギルギリ納まっています。
この後ちゃんとネジも入れましたが、問題なく入りました。
これで皿取りも行えば、穴の中心は捉えられずともネジが締めることができ、固定可能であろうことがわかりました。
個体差によるネジ穴位置のズレも、カバーできる範囲が広がったと考えて良いと思います。

純正と比べると1mm穴を大きくしただけですが、見た目の差は結構あるなと感じます。
それだけ個体差への効果もあるというものです。

テンプレートのネジ穴修正
バックプレート自体のネジ穴修正はできたので、今度はテンプレートを修正します。
こちらは個体差対策で4mm穴にしつつ、位置の修正も行います。
位置修正は純正バックプレートとネジ穴の位置を合わせ、バックプレートのズレ幅を測ることで、ネジ穴がずれた数値を特定します。

約1mmずれていますね。
では、今空いているネジ穴を1mmずらして開け直します。
まずは爪楊枝とタイトボンドで穴埋めをします。

こんなところまでタイトボンドを使っていますが、再度穴を開けた際、埋めたところが崩れてほしくないので、カチカチになるタイトボンドを使っています。
とても強力なので、私は家の壊れたところの修繕なんかにも使っています。
ニッパーで爪楊枝の長い部分はカットします。

タイトボンドが完全に固まるまで、1日放置します。

翌日、少し飛び出ている爪楊枝をノミでカットします。

ノミって、平面に合わせて削り取る作業に必須ですね。
めちゃめちゃ綺麗に仕上がります。
3本セットのお手頃価格のものを使っていますが、今のところ十分使えています。
切れ味が落ちてきたら、自分で軽く研いで使っています。これはどのノミも一緒ですね。

穴の位置を決めていきます。
鉛筆の線はバックプレートの縁からの位置を決めた線です。
その線上で、埋めた穴の中心から1mmずらした位置へポンチで窪みを作ります。

そしてボール盤で穴あけした後、純正バックプレートと重ねてネジ穴位置を確認します。
ピッタリに直りました。

もうひとつテンプレートを作っていたので、そちらも重ねて穴あけし修正。

こんな具合でテンプレートも修正完了です。

修正したテンプレートを使ってバックプレートを制作
キルトメイプルの作業がアッシュより遅れていたので、修正したテンプレートを使って作業を進めます。
縁を45度で面取りします。

2.5mmまで厚みだしをした後は、トリミング跡をベルトサンダーで消していきます。

大体消えたかな。後は手作業で研磨していきますよ。

ボール盤でネジ穴を開けて、テンプレートを外します。
ネジ穴は修正後のテンプレートをベースに開けているので、位置は完璧です。

成形終了!
成形が終わり、バックプレートらしくなりました。
この後は研磨とオイルフィニッシュ、塗膜磨きと進んでいきます。
実は研磨とエキゾチックオイルジェルでのオイルフィニッシュが一番時間がかかる部分で、仕上がり具合の良し悪しもここで決まると言っても過言ではないと思っています。
大事な工程ですね!
ネジ穴の皿取り部分が膨張する懸案事項③は、木固め剤等を使用した後など、膨張で形が崩れない段階になってから皿取りしたいと思うので、次回に対策していきたいと思います。
では、次回へ続きます。

少量ではありますが、「Yahoo!オークション」「メルカリ」にて製作したギターパーツ等の販売を行っています。
完成次第ではありますが、今回記事のPACIFICAバックプレートも発売予定です!
スローペースではありますが随時商品を追加していますので、「Items」からちょっと覗いていただけたら幸いです。
ありがとうございます!

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