以前反った木材をアイロンで直す記事を書いたんですが、その中でアイロンで熱と水分を含ませた木材を平らな板で挟んで固定する工程があるんです。
平らな板で挟む際、クランプをたくさん使って押さえ込むのですが、ある時「その度プランクで締め込むの結構手間だな」と思いまして、その手間を省ける治具を作ることにしました。
ということで、反りの直し方に引き続き、そりを直すための治具制作をご紹介します。
前回の木材の反りをアイロンで直す記事をご覧になる方はこちらからどうぞ↓

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よろしくお願いします!

制作する治具の概要
前回記事では、濡らしたタオルの下に反った材料を置き、その上からアイロンで押さえ、直後に平面の出た板で挟み込むことで反りを直しました。
平面が出た板で反った材料を挟み込むには、写真のようにクランプで押さえています。

1回やってみるとわかるんですが、このクランプを何箇所も取り付けるのが思ったより煩わしく割と手間なんです。
板の大きさも有り合わせを使っているのため、反った材料を2枚入れたりしていて、これもクランプしにくい原因だったりします。
材料をウエスで綺麗に包み込んで傷防止を図るのも、結構煩わしいんです。
そこで、この煩わしさを解消するため、以下の点に重点を置いて反り直し治具を作っていきます。
① 板は反った材料、私の場合はギターのバックプレートが主なのでその大きさに合わせたものにし、反りを直すために押さえ込む効果を最大限にできるようにする。
② クランプの代わりにねじ止めで板を固定できるようにする。
③ 押さえ込む板と材料の接面は傷防止の措置をする。
制作に必要なもの
材料を挟み込む板
今回はたまたまホームセンターの端材コーナーにちょうど良い板があったので、こちらを使用します。

合板ですね。無垢材にくらべて比較的反りにくい材料なので、今回の治具作りにはピッタリかと。
一枚100円台で買えたので大変お得でした。
今回私が購入しているものとは違いますが、シナランバーコア合板が非常に反りにくく、この手の治具には一番適していると思います。
または加工性重視で考えると、これまでもよく使ってきますがMDF板が手軽かと思います。
湿気に気をつければ、こちらも比較的反りにくいものではあります。
鬼目ナット
反り直し用の板同士を重ねてネジで固定する魂胆なので、鬼目ナットを準備します。
最初にAタイプと呼ばれる写真のものを準備しました。

制作している過程でお見せしますが、実はAタイプの鬼目ナットではうまくいかず、Dタイプというものを改めて用意しました。
サイズはM6×10mmです。

Dタイプでうまくいきましたよ。
ネジ
クランプの代わりに、板と板を重ねて締め込むために使います。
サイズはM6×35mm。
すこし長めのものを用意しました。
種類はトラスネジというもので、ネジ頭が広く薄めのもので、締め込んだ際に板へのダメージが比較的少ないであろうと考えました。

フェルトシート
ギターのバックプレート制作においては、反ってしまった材料が研磨済みだったりするので傷防止のために使用します。
今回はSeriaで購入しました。

いざ、制作
ベニア合板をカットする
まずはテーブルソーでベニア合板をカットします。
写真左上に写っているガイドとチップソーの間を切りたい幅に合わせておけば、あとはガイドに沿わせてベニア合板を動かすだけで簡単カット。


テーブルソーは自作のもので、丸ノコを逆さにしてテーブルに取り付けてあります。
丸ノコはKYOCERAのW-1910という機種を使っています。
テーブルソーの作り方も記事にしていますので、ぜひ参考にしてみてください。


ベニア合板は150mm×200mmにカットしました。
8枚作るのに、ものの5分とかからなかった。
テーブルソー最強。

ネジと鬼目ナットの位置決め
板が切れたところで、ネジと鬼目ナットの位置決めを行います。
仮にバックプレートを乗せてみて、ネジが干渉しない位置をみます。


物差しが映っていないので、分かりにくくてすみません。
外周から15mmくらいの位置にネジの中心がくるようにしても、十分余裕がありそうでした。
そして挟んでみて、ネジの長さが準備したもので大丈夫か確かめます。
ざっくりで長さ35mmのネジを用意しています。


板にバックプレートを挟み込んで厚みを測ったところ30mm弱。
そこそこ厚めの板の反り直しにも対応できそうです。
それでは墨付けしていきますよ。
4辺全て、内側へ15mmの線を引き、交点をネジの中心=穴を開ける位置とします。


板4枚に同じ位置に穴が開くように、両面テープでくっつけて、1回で下穴を開けます。



そしてボール盤で下穴を開けていきます。
あとで大きく開け直すため、とりあえずの細い穴で良いので2mmを使います。
ドリルビットは最近買い集めているスターエムのF型下穴錐です。
とにかくバリがほとんど出ずに、綺麗な穴が開きます。

先端を墨付けした交点に合わせて穴を開けます。


2mmの穴を開けたら、再び1枚ずつに戻します。
隙間にヘラを入れると剥がれやすいです。

4枚とも同じ位置に下穴が開きました。

鬼目ナットを打ち込む
下穴を基準に、鬼目ナットを打ち込みます。
Aタイプという種類を準備したんですが、抜けやすいので後ほどタイプの違う鬼目ナットを打ち直すことになります。
ご承知おきください汗
では、下穴を中心として、9mmの穴を開けます。
これもボール盤を使います。
インパクトドライバでも可能ですが、ボール盤のいいところは垂直に穴あけできて安定しているところ。
私は高儀EARTHMANのBB-250Aを長いこと使っていますが、作業のしやすさも抜群なので一家に一台です。

この時、もう一枚のネジを通す方の板にも、同じく9mmで穴を開けました。
9mmの穴を開けたら鬼目ナットをはめ込み、ハンマーで打ち込んでいきます。


打ち込みが終わったところです。きれいにできました。


研磨して表面を整える
ベニア合板は表面がささくれ立ったりしていますので、軽く研磨します。
こんなときはランダムサンダーが使いやすいなと思います。

フェルトシールを貼る
板の内側、要するに反りを直す材料と接する部分にフェルトシールを貼ります。
ギターのバックプレートの場合はすでに研磨が終わっている段階で反りを直すことが多いため、傷つかないよう保護することが目的です。
使用するのはseriaで買ったこんなやつです↓

フェルトの裏面はシールになっているので、必要な大きさに切ってペタンです。

はみ出て不要な部分は、板をガイドにカットします。


左右の縁にもフェルトを貼って、反った材料を真ん中に入れてネジを締めた時、板が歪まないようにします。


完成(仮)
ひとまず完成しましたが、このあとネジで締めると鬼目ナットが抜けます。

それでは、試しにバックプレートを置きまして、

もう片方の板を置いて挟み込み、

ネジを入れて、電動ドライバーで締めます。

ぎゅうぎゅうに締めていくと、鬼目ナットが抜けました泣

鬼目ナットの種類を交換する
Aタイプの鬼目ナットは打ち込むタイプで、打ち込んだ方向から強い力がかかるとどうしても抜けてしまいます。
ということでタイプを変えて再挑戦します。
Dタイプと呼ばれる、六角レンチでねじ込むタイプの鬼目ナットです。
これだと、ネジを入れる方向から引っ張る力に強いのでAタイプのように抜けてしまうことはないと思います。

下穴は最初に開けた9mmの穴で捻じ込めそうだったので、そのまま使います。

六角レンチでぐるぐるとねじ込んでいくと、こうなります↓


ではあらためて、お試しでバックプレートを挟んでネジを締めます。

締め込んでみたところがこんな感じです。

ネジを締めすぎると上下の反りを直すための板がわずかに歪むので、加減を見ながらネジの締め込みを調整します。


無事、完成

鬼目ナットが抜けるハプニングはありましたが、無事完成しました。
いくつか反りが出てしまってもいいように、何個か治具と用意しておくといいですね。
これでクランプをいくつも締める煩わしさから解放となりそうです。
この治具は材料価格もさほどかからず、端材とネジ類、フェルト程度で作れるものなのでおすすめです。
よりサイズが大きい木材の反り直しは、その木材の大きさに合わせて制作し、ネジ止めする箇所を増やしてあげると効果的だと思います。
少量ではありますが、「Yahoo!オークション」「メルカリ」にて製作したギターパーツ等の販売を行っています。
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