板状の木材を扱っているとき、反ってしまっている材料に巡り合ったり、加工しているうちに反ってしまったりすることがあります。
しっかり乾燥させて、木材が反り切ってしまってから加工していくのが良いのですが、それでも反る場合はあると思います。
ましてや、ギターのバックプレートやトラスロットカバーなど、厚さ2mm前後へ加工するならば反ってしまうのは仕方ない。
では、「どうやって反りを治していくのか」というのが今回のメインテーマです!
私が扱う薄い材料だけでなく、10mmほどの板でも効果はあると思いますよ。
innermountain GUITAR and miscellaneousでは、ブログ記事で紹介しているハンドメイドのギターパーツ等を販売しています。ブログ記事と併せてこちらも覗いていただけると嬉しく思います。
よろしくお願いします!

木材が反るときはどういうときか
反りを直す前に、どういう場面で反ってしまうことが多いのかを考えてみます。
その行動が回避できるのなら、それに越したことはないですよね。
私が作業している中で木材が反る場面は3つあります。
反りの原因① 木材が水分を含んだとき
これは反りの原因で一番多いと思います。
例えばこんな場合によく起こります。
◾️研磨した後、木粉を取り除くために固く絞ったウエスで拭き取るとき
水分をできるだけ少なくするようウエスを固く絞るんですが、2mm程度の板だとそれでも反ってきます。
場合によっては乾燥して、元通りになることもありますが、反ったままになってしまうことの方が多いです。
◾️木固め剤を使用するとき
経年による反りや割れを防止するために、木の道管にプレポリマーという塗料を浸透させて木材を強化するんですが、
木材が薄すぎて浸透させる過程で剃りが出てしまうことがあります。
こんなふうに、液体の中へドブ漬けにするので↓

反りの原因② 木材を削ったとき
これは避けて通れないなと思っています。
ものを作る以上、削って加工は絶対しますもんね。
私の作業の中では、2mmまで厚さを削っていく作業で反りが出てきます。
厚さ5mmまでなら気になるほど反っては来ないんですが、ここから2mmまでの間がすごい。
木材内部の歪みのバランスが崩れるかららしいです。
厚みを削っていくこの作業でぐいっと反ってきます↓

反りの原因③ 熱が加わったとき
これはあまり日常的にないと思われがちですが、実は夏場によく起こります。
太陽です!
加工作業は基本的に屋外で行うんですが、加工が終わったバックプレートをうっかり日向に置いておくと、薄い板なのであっという間に反ってきます。
なので加工が終わったら、夏場は即屋内へ避難させています。
日陰に置いたつもりが、いつの間にか日向になっていたりもしますし。
冬にこれは起こりません。
反りを戻すにはどうするか
反りの原因を踏まえて、反りを戻すにはどうするか色んなやり方を調べたところ、良さそうなアイデアがたくさんありました。
みなさん反りに関してはけっこう苦労してるんですね。
そして、1つわかったことがありました。
木材の反りを元に戻すには、反りの原因を使って反りを戻してしまえばいいということ。
木材を曲げてる場面を見たことがある方ならピンとくると思います。
あれって、木材に水分をたっぷり吸わせて、熱を加えて、型を使って固定しますよね。
この原理を利用して、逆に平らなもので挟んでしまえば、反りが戻せるんです。
では早速、やってみましょう。
準備するもの
反りを戻す材料を押さえ込むための板
これは平らな板なら何でも大丈夫です。
私は端材を使っていますが、中でもMDF材はおすすめです。
湿気さえ気をつければ反りには強い材料なので、平面を保ちやすいと思います。
使用しているMDF材は9mm厚のものです。

クランプ
平面の出た板に反った材料を挟み込んで、強力に圧をかけるために使います。
私は写真右のダイソー製のものをたくさん買って使っています。これで十分です。

ただ、使っているうちにロックが効きにくくなりクランプできなくなる個体もあるので、長く使う意味では少しお値段の張る左のものが良いと思います。
バネ式のロック機構がついているのでクランプしやすいです。

アイロン
熱と湿気を反った材料に加えるために使用します。
私は自宅で使っているのパナソニックのスチームアイロンを流用しています。
ハンガーにかけたままでも、シワが伸ばせる便利なやつです。
小さくて軽くて使いやすいんですね。
しかも電源ONから温まるまでがかなり早いです。20秒ぐらいかな。

反り直しに使っても特に汚れたりするわけではないので、自宅アイロンの流用で大丈夫です。
ウエスやタオル
材料に湿気を吸わせるため、濡らして使います。
ウエスよりタオルの方が厚みがあって、木材を焦がす心配は少ないと思います。
ウエスはMDF材で反った木材を挟んだときに傷つけないように保護するときに使います。
塗装などで常時使っているので、継ぎ目がなく使いやすいものを1kg単位で購入しています。
いざ、反りを直す
それでは準備した道具を使って、直してみましょう。
バックプレートの表面はすでに研磨済みなので、表面に傷がつかないようウエスで保護しながら作業します。
山になっている側に水分と熱を与えると戻りやすいので、凸側を上にしておきます。

水が滴らない程度に濡らしたタオルを上から被せます。

アイロンの出番です。
上から押さえて、圧と熱を加えていきます。
このときスチームも合わせて当てていくとより効果的。
1箇所5〜10秒ぐらいずつおさえるのが、焦げずに熱を加えられます。
短い秒数から加減を見ながらやってください。

ある程度したら、タオルを取り除きます。
このとき、最初より反ってしまっていますが大丈夫です。
熱と水分があるうちに平らに固定すると、乾燥が進むにつれて真っ直ぐに固まっていきます。

アイロンを当てたときから裏返しにします。
角部分が浮き上がるので、そこを狙ってクランプしていきます。
その方がなんとなく効き目があるような気がして、そうしています。

上側はたまたま家にあった端材、下側はMDF板を使って反った木材を挟みます。
クランプは、挟んでいる木材の角を押さえつけるような位置にします。
ぎゅうぎゅうに締めて大丈夫です。


そして、2日ほど放置します。
2日後、取り出してみると・・・完全ではないですが、ほぼ真っ直ぐです!


欲をいえば、1週間ぐらい放置していいと思います。
2日程度だと、解放した後数時間のうちに、少しだけ反りが戻ってくるような気がします。
乾燥が足りないのかもしれません。
この方法ですが、生木はもちろん、オイルフィニッシュ後のものでも問題ありません。
色を吹き付けてあったり、クリアーが吹いてあると厳しいかもしれません。
塗装剥がしにアイロンを使うぐらいですから、これをやると多分剥がれたり、亀裂が入ったりしてしまう気がします。

バックプレートなど薄い木材を扱っていると、必ずと言っていいほど遭遇してしまう反り。
遭遇率が高いので、ネジ締めで圧迫できる反り直し専用の板を作ろうかな。
その反り直し治具の作り方を続編でやっていこうと思います!次回!
少量ではありますが、「Yahoo!オークション」「メルカリ」にて製作したギターパーツ等の販売を行っています。
スローペースではありますが随時商品を追加していますので、「Items」からちょっと覗いていただけたら幸いです。
ありがとうございます!

また、制作のリクエストやオーダーメイドの依頼等にも可能であれば対応しております。
contactからご連絡ください。

コメント