前回テンプレートまで制作したパシフィカバックプレート。
ここからはそのテンプレートを使って、バックプレート制作をしていきます。
テンプレート編からご覧になる場合はこちらからどうぞ↓

今回、バックプレートを形成していく過程で、いままでの制作と少しだけ変更している点があります。
具体的には厚みを薄くしていく作業を行う順番を変えて、よりネジ穴位置の精度をあげようと試みました。
その点も含めて、バックプレートを形作るまで詳しくご覧いただきたいと思います!
innermountain GUITAR and miscellaneousでは、ブログ記事で紹介しているハンドメイドのギターパーツ等を販売しています。ブログ記事と併せてこちらも覗いていただけると嬉しく思います。
よろしくお願いします!

これまでの作業順序での懸案事項は?
これまでのバックプレート制作では、こんな順番で作業を進めてきました。
①テンプレートからラフカット
②トリマーでテンプレート通りに形成
③ネジ穴を開ける
④テーブルソーで厚さ20〜25mm程度の材料を5mm程度に切り分ける
⑤ベルトサンダーで片面に平面を作る
⑥ ⑤の反対の面をトリマーと治具で2.5mmまで平面を作りながら厚みを削る
⑦ネジ穴を皿取りする
⑧手作業で研磨
この順序で作っていっても上手に出来上がるのですが、気になることがいくつかありました。
懸案事項① ネジ穴位置の0.5mm以下のわずかなズレ
1つ目の気になること、それは④で切り分ける際、バックプレートの面に段差ができてしまい、それを平面に平すとネジ穴が面に対してわずかながら垂直にならなくなるんです。
これはテーブルソーの切り込み深さがナックプレートの幅より短いため、2度切りしなければならず、その影響で段差ができることが多くなります。
両側から切らないと切断できないんですね。
つまりこうゆうことです↓


この段差で結果ネジ穴がわずかに垂直にならず、最終的にバックプレートを2mm程度にし、完成した時に0.5mm以下でネジ穴の位置がずれて、取り付けの際ネジ締めがキツくなることが稀に発生します。
私の場合は完成時や制作途中でも必ず取り付け確認をしていますので、取り付けられないわけではないんですけどね。
ちょっとネジを締める時硬くなるんです。
この事象を解消しようというのが1点目で、ネジ穴をどのタイミングで開けるかで対応できると考えました。
懸案事項② 個体差によりネジ穴が合わない事象に対してのネジ穴の工夫
この点については、これまで制作したバックプレートを使用していただいている皆様から情報をいただいている点に対しての改良です。
まずは様々な情報をお寄せいただきましたことに心から感謝申し上げます。まことにありがとうございます。
でどういったことかというと、私のギターには問題なく取り付けられても、別の方のギターではネジ穴の位置がずれているという事象です。
「個体差」というやつです。
これについては、純正と同じネジ穴の大きさで制作してきたところを、純正より大きなネジ穴にして可能な限り個体差によるネジ穴位置のズレに対応してみようと考えました。
懸案事項③ ネジ穴の皿取り部分が、気固め剤や水性ステインの水分により膨張してしまうことがある
この事象の多くはキルトメイプルやアッシュで発生することが多く、写真のように皿取り部分が膨張しガタガタしてしまう場合には、皿取りし直して対応していました。

これは木固めやステイン使用後に皿取りすれば解決できますね。
以上の懸案事項のいずれも、作業順序を入れ替えていけば解決できそうです。
パシフィカバックプレート制作ではこれまでと違った作業順序で進めていきます。
パシフィカのバックプレートを作っていこう。
懸案事項を踏まえ、これまでと作業工程を入れ替えながら作っていきますよ。
テンプレートを目安に材料をラフカット
スタートの工程はいままでと一緒。
テンプレートを目安にして、材料をラフカットしていきます。
まずはテンプレートを使って材料に形跡を書きます。

そして、その形跡の1mmぐらい外側をバンドソーでラフカット。

バンドソーはいつもの通り、高儀EARTHMANのRBS-195Aを使っています。
コスパがとても良い機種で、卓上なのがとても使いやすい機種ですね。
バックプレートのような小物作りでは、カットがしやすく作業効率もアップします。
材料が硬く厚みがあると切り始めのところで刃が逃げる傾向はありますが、慣れれば大丈夫。
ラフカットした材料の厚みを切り分ける
ここからは作業順序変更部分です。
これまではトリマーでテンプレートどおりに外周をカットしていたんですが、それは後回しにします。
先に厚みの部分を切り分けてしまいます。
厚みは20mmくらいの材料なので、5mmずつ切り分けて3枚おろしにしたいと思います。
テーブルソーでカットするんですが、そのカットしている写真を撮り忘れまして・・・。
カットした後の写真がこちら。予定通り3枚作れました!

切り分けに使ったテーブルソーは、KYOCERA W-1910という丸鋸を使って自作しています。
気になった方は作り方解説している記事がありますので、よかったらご覧ください↓


バックプレートの片面に平面を作る
このあとテンプレートを装着して外周のカットをしたいわけですが、見ての通りテーブルソーの切り跡でガタガタです。

テンプレートを貼り付けるために、ベルトサンダーを使って片面に平面を作っていきます。
使用するベルトサンダーは高儀EARTHMANのRBS-110です。

ちなみにこの作業、以前はネジ穴が空いている状態でこの作業をしていたため、ガタガタを平面にしているうちに、ごくわずかですがネジ穴が平面に対して垂直でなくなっていくわけです。
今回はこの作業時点はネジ穴を開けていないので、懸案事項①はクリアです。
ネジ穴開けは一番最後に行う作業になりました。
しばらくベルトサンダーに当てていると、だんだんに平面ができてきます。
様子を確認しては削りを慎重に繰り返します。


そうこうやっていると、きれいに平面が出来上がります。

テンプレートを取り付けてトリマーで成形する
平面を作った側にトリマーのガイドとなるテンプレートを貼り付けます。
外周をトリミングした後、テンプレートはつけたまま5mm→2.5mmへ厚みも薄くしていくので、両面テープはかなりしっかりつけます。そうするとテンプレートが材料の反りを抑えてくれます。


両面テープもなるべく強力なもので、尚且つ剥がしやすくあとが残りにくいものを選ぶ必要があります。
いろんな両面テープを試してきましたが、ここでも使っているニトムスのPROSELFが一番使いやすいです。
良いところは横方向への力にとても強いこと。
トリマーのガイドを固定する場合は、トリミングの際にトリマーから押さえつける力を受けることになります。
これに耐えられる粘着力はこの両面テープが一番でした。
にもかかわらず、ヘラは使うものの比較的剥がしやすい。
使い勝手がちょうど良い両面テープなので、大量ストックしています。
テンプレートが固定できたところで、外周をカットとしていきます。
材料が5mm程度になっているので、ゆっくりカットしていかないと部分的に欠けてしまうことがあります。
それが致命傷で使い物にならなくなることもあるので、とにかくゆっくり、1〜2mm程度ずつカットしていきましょう。


ここからメインで使っていくトリマーは、KYOCERA MTR-42です。
テーブルトリマーとして使う際もそうなんですが、深さ調整がトリマーのボディ周りを回すだけでできるので、ものすごく効率がいいんです。
他のトリマーにはおそらくない特徴的な部分で、この仕組みを使い始めると便利で離れられないなと思うほどです。
おかげで1〜2mmずつカットしていく調整も、サクサクできてテンポよく進みます。
外周カットが終わりました。
きれいにできています。順調。

5mm→2.5mmへトリマーで厚みを調整
ここで2.5mmまで厚みを削ります。
完成は2mm予定なので、最後に手動で研磨する余力分の0.5mmを残します。
ネジ穴開けが最後の工程になり、これまでのように厚み調整でテンプレートを外してしまってはネジ穴が開けられないので、今回からはつけっぱなしで行います。
テンプレート側に両面テープをつけて、作業台に貼り付けます。


厚み出し治具の上にトリマーを乗せて、0.5mmくらいずつ様子を見ながら削ります。


トリマービットの右側でカットするのが基本なので、右から左へ少しずつカットします。

たまにノギスで厚みを計測します。
テンプレート9mm+バックプレート2.5mm=11.5mmにしたいので、まだまだです。

かといって、あまり攻めすぎると必要以上にカットし過ぎてしまうので、11.5mmまでいかずともほどほどにします。
誤差+0.5mm以内なら良いでしょう。もうちょいカットして良しとします。

今回も大活躍の厚み調整治具、テーブル面と並行にレールをつけて、その上に乗せたトリマーをレールごと動かして厚みを削っています。
当初より少しずつ改良もしながら、だいぶ使いやすくなりました。
作った時に記事もありますので、参考にされる方はこちらからどうぞ↓

トレモロユニットバックプレートの弦通し部分をカットする
外周のカットが終わったら、今度はトレモロバックプレートの弦通し部分をカットします。
写真のようにテーブルに貼り付けてます。


これも一気には削れないので、1〜2mmずつカットしていくと、4、5回で貫通します。


ネジ穴を開ける
成形作業が全て終わったので、やっとネジ穴を開けます。
ちなみに、この時点ではテンプレートの穴の大きさは純正と同じ3mmで、懸案事項②の対策を実施する前になります。
実はこの時点では穴を大きくして個体差対策になるのか、どの程度効果があるのか考え中だったんです。
穴の大きさは一旦純正と同じ大きさで開けて、もしも必要ならあとからでも大きくしようってことで、3mmで開けました。
ネジ穴開けている写真は撮り忘れてます。
いつも通り高儀EARTHMANのボール盤で開けてますよ。
試しに装着してみよう
成形はここまででひと通り終わったので、ちゃんとつけられるかお試しです。
トレモロユニットバックプレートは狂いなく付けられました!

コントロールキャビティバックプレートは・・・はまりませんでした!

テンプレートはちょっときつめながらも、ちゃんとはまったんですけどね。
原因を探りながら、修正をかけていきます。
次回の記事では修正→成形終了になっていく予定です。
このバックプレートをどう修正して枠にはめていくのか?
枠にはめ込めたらわかった、更なる問題点も!
懸案事項②と③は次回以降解決していきます!
いろいろ多難ではありますが、できるだけ早めに次回の記事をアップしたいと思います!
少量ではありますが、「Yahoo!オークション」「メルカリ」にて製作したギターパーツ等の販売を行っています。
完成次第ではありますが、今回記事のPACIFICAバックプレートも発売予定です!
スローペースではありますが随時商品を追加していますので、「Items」からちょっと覗いていただけたら幸いです。
ありがとうございます!

また、制作のリクエストやオーダーメイドの依頼等にも可能であれば対応しております。
contactからご連絡ください。


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